S&P 500は、1957年3月に算出を開始した米国の代表的な株価指数であり、米国大型株の動向を表す最良の単一尺度として広く認められています。また、S&P 500は金融メディアで最も頻繁に引用される指数の一つであり、SNSで金融・投資情報を発信するインフルエンサーにもよく取り上げられています。S&P 500は、世界中の数多くの金融商品の基礎として利用されており、The 500®(S&P 500)に連動する金融商品、または同指数をベンチマークとする金融商品の運用資産残高は、2024年末時点で20兆米ドル超に上ると推定されています。
米国財務省は最近、トランプ口座の制度開始時において、同口座への拠出金の全額をS&P 500に連動する金融商品に投資すると発表しました。このことからも、米国株式市場の代表的な指標としてThe 500(S&P 500)が高く評価されていることが分かります。
今回の決定を受け、S&P 500についてさらに詳しく知りたいと考える市場参加者もいるかもしれません。そこで、本稿では以下の内容を取り上げます。
- S&P 500の概要
- S&P 500に連動する金融商品で運用した場合の推定資産額
図表1は、トランプ口座に年間上限額まで毎年拠出し、その全額をS&P 500に連動する金融商品で運用した場合の推定資産額をまとめたものです。運用開始時点を1日ずつずらし、それぞれ18年間運用した場合の統計結果を示しています。過去の指数のパフォーマンスを基に、配当を再投資し、運用報酬や取引コストなどの諸費用を考慮せず、様々な前提条件の下で資産額を計算しました。その結果、18年間の運用終了時点の平均資産額は25万米ドル超となりました。

S&P 500の概要
S&P 500は、米国大型株のパフォーマンスを測定するように設計された株価指数であり、米国大型株の動向を表す最良の単一尺度として広く認められています。2025年末時点で、同指数を構成する500社の時価総額の合計は、米国株式市場全体の時価総額の約90%を占めていました。
ここで重要なのは、S&P 500が必ずしも米国の時価総額上位500社で構成されているとは限らないことです。指数への採用候補となるには、様々な基準を満たす必要があります。例えば、所定期間の利益がプラスであること、株式の流動性や時価総額が一定の水準以上であることなどが条件となります。図表2は、S&P 500の採用基準をまとめたものであり、これはS&P 米国株価指数メソドロジーでも公開されています。
S&P 500の採用基準を満たしていても、同指数に採用されるとは限りません。指数委員会は、一般公開されたメソドロジーに従って指数を管理しており、構成銘柄の入れ替えを検討する際には、セクター間のバランスも考慮します。また、すでにS&P 500に採用されている銘柄を指数に残すかどうかは、採用基準に基づいて判断するわけではありません。これは、指数委員会が構成銘柄の入れ替えをできる限り抑える方針をとっているためです。したがって、すでにS&P 500に採用されている銘柄が、一部の採用基準を満たさなくなったとしても、指数から自動的に除外されるわけではありません。