AI によって巧妙化するサイバー犯罪
AI の進化を背景に、サイバーセキュリティへの関心が一段と高まっています。Claude Mythos(クロード・ ミュトス)のプレビュー版が公開されたことを受け、各国政府や業界関係者の間では、デジタル化が進む経済 全体への影響を懸念する声が高まっています。デジタル商取引の拡大に伴い、サイバー犯罪も増加していま す。インターネットの匿名性や国境を越えた性質を悪用し、サイバー犯罪の規模が拡大するとともに、手口も ますます巧妙化しています。世界のサイバーセキュリティ支出は 2,200 億米ドル規模と推定され、今後は年率 13%で拡大すると予想されています。AI によってサイバー犯罪の脅威が高まる中で、サイバーセキュリ ティ・セクターの重要性が一段と高まっています。
サイバーセキュリティ指数の構成とパフォーマンス
サイバーセキュリティは、現在の経済だけでなく将来の経済においても重要な役割を担うと考えられます。 S&P Kensho ニュー・エコノミー指数シリーズの枠組みは、第四次産業革命を推進する 25 のテーマで構成さ れており、サイバーセキュリティもそのうちの 1 つとして位置づけられています。S&P Kensho サイバーセ キュリティ指数は、サイバーセキュリティを主力事業とする企業のみで構成されています。サイバーセキュリ ティ・セクターは投資対象として十分な規模を有し、成熟した市場へと発展しています 1。

S&P Kensho サイバーセキュリティ指数は、直近 5 年間で年率 9%のトータル・リターンを記録し、S&P 500 均等加重指数と同水準のパフォーマンスとなっており、直近 3 年間では同指数をアウトパフォームしていま す。多くのテクノロジー関連指数では、特定銘柄への集中リスクが生じやすいことから、S&P Kensho サイ バーセキュリティ指数では、このリスクを避けるために修正均等加重方式を採用しています。そのため、同指 数のパフォーマンスは均等加重ベンチマークと比較されます。同指数は 2025 年 10 月に最高値を付けました が、2026 年に入ってからは方向感に乏しい展開となり、足元では最高値を 13%下回る水準で推移していま す。その背景には、AI がサイバーセキュリティ・セクターに及ぼす影響が依然として不透明であることがあ ります。





