概要
- S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは2002年にSPIVA米国スコアカードを最 初に発行しました。それ以来、このスコアカードはパッシブ運用とアクティブ運 用の議論において高い注目を集める調査となっています。弊社はこれまで長 年にわたって積み上げてきた経験を生かし、ここ数年でスコアカードの対象 をオーストラリア、カナダ、欧州、インド、南アフリカ、ラテンアメリカ、そして日 本に拡充しました。このレポートでは、主にSPIVA日本スコアカードの結果を 紹介しています。このレポートにより、パッシブ運用とアクティブ運用に関する 議論が決着するわけではありませんが、各市場セグメントの中でどちらの運 用戦略が有効に機能したかを調査することにより、有益な情報を提供できる ものと期待しています。
- SPIVA日本スコアカードでは、それぞれのベンチマーク指数に対するアクティ ブに運用されている日本の投資信託のパフォーマンスを1年、3年、5年、10 年の投資期間にわたり報告します。このスコアカードでは、780以上の日本 の大型株、中型株、小型株の投資信託についてリターンを評価しました。ま た、グローバル市場、国際市場、新興国市場、及び米国市場を投資対象とす る624以上の国際株式ファンドについてもリターンを評価しました。
- 国内株式ファンド:2017年に、S&P/TOPIX 150指数は20.1%、S&P日本中 小型株指数は25.6%上昇しました。同期間に、大型株ファンド及び中小型フ ァンドの大多数はそれぞれのベンチマークをアウトパフォームし、平均リター ンはそれぞれ26.0%及び42.6%となり、より長い期間のリターンよりも良好な リターンとなっています。
過去10年の期間では、大型株ファンドの44%、及び中小型株ファンドの 36.5%がそれぞれのベンチマークを絶対ベースでアウトパフォームしました。 同期間において、大型株ファンドでは31.8%が統合または清算された一方、 中小型株ファンドでは39%が消滅しました。
中小型株ファンドは、過去10年の期間の均等加重リターンにおいてベンチマ ークを2.3%(年率換算)アウトパフォームしましたが、資産加重リターンでは このプレミアムが消失しました。これは、小型株の投資キャパシティが低水準 であるため、中小型株ファンドにおけるアクティブな銘柄選択によるアルファ がより規模の大きなファンドに対して限定されたことを示しています。