S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは2002年にSPIVA米国スコアカードを最初に発行しました。それ以来、このスコアカードはパッシブ運用とアクティブ運用の議論において高い注目を集める調査となっています。SPIVA®日本スコアカードでは、日本のアクティブ運用投資信託について、それぞれのベンチマークに対するパフォーマンスを様々な対象期間にわたり測定します。このスコアカードは、日本の大型株、中型株、及び小型株セグメントに加え、国際株式ファンド及びグローバル株式ファンドも対象としています。
2025年中期版のハイライト
2025年上半期において、日本のアクティブ・マネージャーの運用成績にはばらつきが生じ、ファンドのカテゴリーによって明暗が分かれる結果となりました。日本の大型株カテゴリー及び新興国株式カテゴリーでは、それぞれのベンチマークをアンダーパフォームしたアクティブ運用ファンドの割合が3分の1未満にとどまり、これまでで最も低いアンダーパフォーマンス率となりました。一方、日本の中小型株、グローバル株式、米国株式、及び国際株式の各カテゴリーでは、ベンチマークをアンダーパフォームしたアクティブ運用ファンドの割合がいずれも60%を超えました。このように、短期的にはカテゴリー間の運用成績に違いが生じたものの、長期的には一貫した傾向が見られます。実際に、過去15年間の動向を見ると、全てのカテゴリーにおいてアクティブ運用ファンドの大多数が一貫してベンチマークをアンダーパフォームしています。

- 日本の大型株ファンド:S&P/TOPIX 150指数は2025年上半期に3%上昇した一方、日本のアクティブ運用大型株ファンドは均等加重ベース及び資産加重ベースでそれぞれ4.0%及び2.8%上昇しました。このカテゴリーでは、ベンチマークをアンダーパフォームしたアクティブ運用ファンドの割合が27%にとどまりました。ただし、長期的に見ると、ベンチマークをアンダーパフォームしたファンドの割合は依然として高く、10年及び15年の期間では80%を上回りました。
- 日本の中小型株ファンド:日本のアクティブ運用中小型株ファンドは2025年上半期に大型株ファンドほど好調なパフォーマンスとはならず、ベンチマークをアンダーパフォームしたファンドの割合は63%となりました。とは言うものの、このカテゴリーは長期的には良好な相対パフォーマンスを示しており、10年及び15年の期間では、ベンチマークをアンダーパフォームしたファンドの割合はそれぞれ54%及び66%となりました。
- グローバル株式ファンド:S&P ワールド指数は2025年上半期に1.1%上昇(日本円ベース)した一方、アクティブ運用グローバル株式ファンドは均等加重ベース及び資産加重ベースでそれぞれ-0.6%及び0.8%の平均リターンにとどまりました。2025年上半期には、グローバル株式ファンドの74%がベンチマークをアンダーパフォームし、3年またはそれ以上の期間では90%以上がベンチマークをアンダーパフォームしました。
- 米国株式ファンド:日本籍の米国株式ファンドは2025年上半期に厳しい状況に直面しました。S&P 500®は4%下落(日本円ベース)した一方で、アクティブ運用米国株式ファンドの83%がより大きな損失を被り、資産加重ベースで平均5.8%のマイナス・リターンを記録しました。
- 国際株式ファンド:国際株式ファンドは2025年上半期に全体の78%がベンチマークをアンダーパフォームしました。このカテゴリーのファンドは資産加重ベースで平均6%のマイナス・リターンとなりました。これに対してS&P ワールド(日本を除く)指数は0.1%上昇しました。測定期間が長くなるにつれて、ベンチマークをアンダーパフォームした国際株式ファンドの割合は上昇し、15年の期間では100%に達しました。
- 新興国株式ファンド:新興国株式ファンドは2025年上半期に特に好調なパフォーマンスとなり、ベンチマークをアンダーパフォームしたファンドの割合は28%にとどまりました。新興国株式ファンドは1%の資産加重平均リターンを達成し、S&P 新興国総合指数(BMI)の2.4%のリターンを上回りました。ただし、10年の期間で見るとファンドの100%がベンチマークをアンダーパフォームしていることから、2025年上半期のパフォーマンスは例外的であったように思われます。
- ファンドの生存率:ファンドの清算は全体として低水準にとどまっており、2025年上半期に合併または清算されたファンドは、全カテゴリーのアクティブ運用ファンドの1.4%にとどまりました。グローバル株式ファンドの清算率は2.8%となり、最も高水準となった一方、日本の大型株ファンドの清算率はわずか0.3%にとどまり、最も低水準となりました。15年の期間では、全ファンドの53%が存続できませんでした(レポート2参照)。
市場環境
日本の株式市場はここ2年間にわたり堅調に推移していましたが、2025年上半期には株価が下落する局面がありました。米国の関税をめぐる不透明感や、急激な円高(S&P 日本円先物指数で見ると、日本円は米ドルに対して9.2%上昇)を受け、輸出依存度の高い日本経済への悪影響が懸念され、市場センチメントが悪化しました。広範な市場の動きを示すS&P 日本500指数は2025年上半期に3.2%の小幅な上昇にとどまりました。S&P ワールド指数で測定される先進国株式は1.1%(日本円ベース)の低調なパフォーマンスにとどまり、為替変動による悪影響を受けました。新興国株式は底堅い展開となり、S&P 新興国総合指数(BMI)は2.4%上昇し、ここしばらく見られなかった傾向を示しました(図表2参照)。
