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指数プロバイダーのブランドとコンテンツ力を活かした商品マーケティング戦略

投資家の期待値と市場アノマリー

名称のみの変更:S&P 500 ESG指数からS&P 500スコアリング&スクリーニング指数へ

S&P 500を構成するセクターのパフォーマンス分析

S&P 500配当貴族指数のリバランス:Erie Indemnity Company、Eversource Energy、およびFactSet Research Systemsを構成銘柄に新たに採用

指数プロバイダーのブランドとコンテンツ力を活かした商品マーケティング戦略

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Brandon Hass, CIMA

Global Head of Client Solutions Group, Direct Indexing and Model Portfolios

S&P Dow Jones Indices

指数プロバイダーは、透明性の高いルールに基づいたベンチマークを開発・維持することにより、長年にわたり金融市場で重要な役割を果たしてきました。しかし近年では、単なる指数データの提供にとどまらず、自社のブランド力や教育コンテンツを活用し、資産運用会社やウェルス・マネージャーの商品マーケティング戦略を支援する役割も期待されています。

Cerulli Associatesの新しいホワイトペーパーによると 、投資家が利用可能な投資商品が膨大に存在し、ウェルス・マネジメント業界で企業の整理統合が進む中で、資産運用会社は自社商品の差別化を図り、販売を促進することが一段と難しくなっています。こうした課題に対応するため、ウェルス・マネージャーや資産運用会社は、指数プロバイダーの確かなブランドやコンテンツ力を活用することにより、自社商品のマーケティング能力を強化できる可能性があります。

指数のブランドが重要な理由

Cerulli Associatesが最近行った調査によると、ファイナンシャル・アドバイザーは、パッシブ運用商品やセパレートリー・マネージド・アカウント(SMA)が連動対象とする指数のブランドに注目していることが分かりました。

上場投資信託(ETF)に関してCerulli Associatesが行った調査では、回答したアドバイザーの半分以上(56%) が、ファンドが連動対象とする指数を評価する際に最も重視する要素の一つとして、「指数プロバイダーのブランド」を挙げています(図表1参照)。

指数プロバイダーのブランドとコンテンツ力を活かした商品マーケティング戦略: 図表 1

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投資家の期待値と市場アノマリー

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Joseph Nelesen, Ph.D.

Head of Specialists, Index Investment Strategy

S&P Dow Jones Indices

世界金融危機が深刻化した2008年において、私の同僚は次のように述べました。「下落幅を抑えるという特性こそが、長期的に好調なパフォーマンスをもたらす。」この見方は彼だけのものではありませんでした。つまり、多くの市場や指数が一斉に下落した当時の相場環境において、相対的に良好なパフォーマンスを示した投資対象が注目を集めたのは当然であると言えます。当時、底堅いパフォーマンスを示した指数の一つがS&P 500® 低ボラティリティ指数(以下、「低ボラティリティ指数」という)でした。

あれから20年近くが経過した現在でも、低ボラティリティ指数は市場の下落局面で底堅いパフォーマンスを示しています。実際に、2025年の市場急落時においても同様の傾向が見られました(図表1参照)。

投資家の期待値と市場アノマリー: 図表 1

これは特に珍しいことではありません。低ボラティリティ指数は、市場の下落局面で損失を抑えながらも、上昇相場に追随してきた実績があり、この特性は一般に「低ボラティリティ・アノマリー」と呼ばれています。研究者が低ボラティリティ・ファクターのパフォーマンスを「アノマリー」と呼ぶのは、リスクとリターンの間に正の相関関係が存在するという従来の金融理論に反するためです。リスクとリターンの関係が成り立たないのは、低リスク銘柄の株価が過小評価される一方、高リスク銘柄の株価が過大評価される傾向があるためです。これは、投資家の行動や、構造的及び経済的要因が複合的に絡み合っていることによるものと考えられます。

低ボラティリティ指数は2025年3月末までの25年間において、The 500を下回るリスク水準を維持してきました。具体的には、低ボラティリティ指数の年率ボラティリティは11.6%であり、The 500の15.3%を下回っており、ベータ値も0.7と低く抑えられています。低ボラティリティ指数のボラティリティとベータ値が低いのは、市場全体の値動きによる影響を受けにくいためです。さらに、低ボラティリティ指数は、市場の上昇局面で一定のリターンを確保しつつ、市場の下落局面では損失が抑えられるという特徴があります。図表2では、2025年3月末までの25年間のデータに基づき、The 500の上昇局面と下落局面における低ボラティリティ指数の月次キャプチャー・レシオを示しています。

投資家の期待値と市場アノマリー: 図表 2

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名称のみの変更:S&P 500 ESG指数からS&P 500スコアリング&スクリーニング指数へ

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María Sánchez

Director, Sustainability Index Product Management, U.S. Equity Indices

S&P Dow Jones Indices

過去10年間においてサステナブル投資に対する関心が高まる一方で、グリーンウォッシングのリスクに対する懸念も高まっています(グリーンウォッシングとは、環境に配慮しているように見せかける行為)。S&P DJIは、欧州証券市場監督局(ESMA)が新たに公表したファンド名称に関するガイドラインに基づき、S&P 500® ESG指数の名称をS&P 500スコアリング&スクリーニング指数に変更することを発表しました。なお、このESMAのガイドラインは、ESGや持続可能性に関連する用語をファンドの名称に使用する際の指針を定めたものであり、S&P DJIに直接適用されるものではありません。

S&P 500スコアリング&スクリーニング指数:同じメソドロジーを使用し、名称のみを変更

S&P 500スコアリング&スクリーニング指数の目標はこれまでと変わりません。この指数は、特定のサステナビリティ基準を満たす証券のパフォーマンスに連動する一方で、S&P 500と同様のセクター・ウェイトを維持するように設計されています。

指数の名称は変更されましたが、指数のメソドロジーに変更はありません。構成銘柄の選択基準や除外基準はこれまで通りであり、ベンチマークとしての一貫性が維持されています。

  • この指数では様々な適格性基準を設けています。具体的には、国連グローバル・コンパクト(UNGC)の原則や、S&Pの利害関係者分析(MSA)、さらには企業活動などに基づくスクリーニングを行った上で、S&P グローバルESGスコアを用いて構成銘柄の選択と除外を行います。この指数では、S&P 500の各産業グループ内で時価総額の75%をカバーすることを目標に、S&P グローバルESGスコアの高い順に企業を選択し、これによってS&P 500と同様のセクター・ウェイトを維持することを目指します。

名称のみの変更:S&P 500 ESG指数からS&P 500スコアリング&スクリーニング指数へ: 図表 1

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S&P 500を構成するセクターのパフォーマンス分析

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Joseph Nelesen, Ph.D.

Head of Specialists, Index Investment Strategy

S&P Dow Jones Indices

  • この記事に含まれる指数 S&P 500

多様な資産クラスや地域をカバーする数多くの指数が開発されていますが、投資判断において各セクターの動向を把握することは引き続き重要な要素となっています。世界中のテレビ局のスタジオから、各国証券取引所のトレーディング・フロアに至るまで、世界産業分類基準(GICS®)の11セクターは広く認知され、議論の対象となっています。このことは、市場動向や経済の方向性を示す指標として、GICSセクターの有用性が広く認められていることを示しています。S&P 500®は、米国に本社を置きながらもグローバルに事業展開する企業で構成されており、GICSセクターは各業種の動向を分析・把握する上で重要な役割を果たしています。

昨年は米大統領選挙の年であったことから、11月と12月には各セクター間のパフォーマンス格差が大きく拡大しました。今年1月に入っても、各セクターの動向を見極め、投資配分を戦略的に調整することが重要な局面となりました。図表1では、S&P 500と、S&P 500を構成する各GICSセクターの1月のパフォーマンスを示しています。1月には、セクター間のスプレッド(最もパフォーマンスの高いセクターと最もパフォーマンスの低いセクターのパフォーマンス格差)が12%に達し、昨年11月から3ヵ月連続で2桁台を記録しました。情報技術セクターだけがマイナスとなり、2.9%下落しました。この下落の主な要因は、生成AI業界に新たな企業が参入し、競争環境が一変したことによるものであり、たった1日で情報技術セクターの2銘柄の時価総額が約8,000億ドルも失われる事態となりました。

S&P 500を構成するセクターのパフォーマンス分析: 図表 1

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S&P 500配当貴族指数のリバランス:Erie Indemnity Company、Eversource Energy、およびFactSet Research Systemsを構成銘柄に新たに採用

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George Valantasis

Director, Factors and Dividends

S&P Dow Jones Indices

S&P 500® 配当貴族®指数は、S&P 500構成銘柄のうち、過去25年間連続して毎年増配している優良大型株のパフォーマンスに連動するように設計されています。この指数は年次の指数再構築を完了し、これは2025年1月31日の取引終了時に有効となりました。Erie Indemnity Company、Eversource Energy、およびFactSet Research Systemsが構成銘柄に新たに採用され、これによりS&P 500配当貴族指数の構成銘柄数は69銘柄となりました。

新規採用銘柄のご紹介

Erie Indemnity Company

Erie Indemnity Companyは、自動車保険、住宅保険、企業向け保険、および生命保険などを提供する損害保険会社です。同社のウェブサイトによると、Erie InsuranceはH.O. Hirt氏とO.G. Crawford氏によって1925年4月にペンシルバニア州エリーで設立されました。

2024年9月30日時点の最新の四半期決算発表によると、Erie Indemnityの2024年7~9月期純利益は1億5,980万ドルとなり、前年同期(2023年7~9月期)の1億3,100万ドルから22.0%増加しました。

Eversource Energy

Eversourceのウェブサイトによると、同社はコネチカット州ハートフォードとマサチューセッツ州ボストンに本社を置くエネルギー会社であり、同社の歴史は19世紀半ばにまで遡ります。同社は現在、米北東部のニューイングランド地域で440万人の顧客にサービスを提供しています。

2025年1月31日現在、Eversourceの配当利回りは4.96%であり、これはS&P 500配当貴族指数の配当利回りである2.39%の2倍以上となっています。

FactSet Research Systems

FactSet Research Systemsは金融データおよびソフトウェア会社であり、Howard Wille氏とChuck Snyder氏によって1978年に設立されました。同社のウェブサイト3によると、同社はコネチカット州ノーウォークに本社を置き、世界20ヵ国に37のオフィスを展開しています。

2024年11月30日時点の最新の四半期決算発表によると、同社は非常に好調な業績を達成しており、売上総利益率は54.5%、自己資本利益率は29.2%、投下資本利益率は15.6%となっています。

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