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AIが変える指数の構築方法:S&P 3AI指数の紹介

ダウ工業株平均が5万ドルを突破

AIの急拡大を支えるインフラ投資

金融政策の転換局面におけるS&P 500高配当指数の魅力を検証する

算出開始から1年:S&P クオリティFCF貴族指数は好調なパフォーマンスを維持

AIが変える指数の構築方法:S&P 3AI指数の紹介

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Rupert Watts

Head of Factors and Dividends

S&P Dow Jones Indices

人工知能(AI)の普及により、私たちの日常生活は大きく変わりつつあります。定型業務の効率化により生産性が向上しているほか、データに基づく迅速な意思決定が可能となっています。指数の分野でも同様に、最終的な検証とガバナンスは人が担うという前提のもと、AIなどの技術を活用して指数構築をどのように改善できるかが焦点となっています。AIの一分野である機械学習を取り入れることで、膨大なデータを体系的に分析し、データ間の複雑な関係性を明らかにし、将来を見据えた洞察を得ることが可能となります。このような形でAIを活用することにより、市場環境の変化に合わせてファクター投資を進化させることができます。その結果、ベータ(指数運用)においても、アルファ(超過収益)を狙う要素を組み込めるようになり、両者の境目はより曖昧になっていくと考えられます。

本稿では、S&P 3AI指数を取り上げ、その算出方法、パフォーマンス、及び役割や位置づけについて紹介します。

3AIとは何か:3AIアルファ・スコアの概要

3AIは、ロンドンを拠点とする定量リサーチのテクノロジー企業であり、機械学習を用いた株式のアルファ(超過収益)予測を強みとしています。3AIは2018年に設立され、機械学習に基づく予測システムを開発しており、これらは実際の投資運用や研究の現場で活用されています。

アルファ予測は、完全にシステマティックなプロセスを通じて行われ、このプロセスは、厳格な時間的及び手法的制約のもとで運用されます。ただし、モデルの妥当性検証、リスク管理、及びリサーチに関するガバナンスの確保は人が担います。このプロセスから算出されるのが3AIアルファ・スコアであり、これは今後12ヵ月の予想超過収益を示しています。

3AIアルファ・スコアは、相互に連携するAIシステムのネットワークによって算出されます。これらのAIシステムは、300を超える構造化データを活用し、ボトムアップとトップダウンの両面から銘柄分析を行います。ボトムアップ・モデルでは、各企業のファンダメンタルズ、ファクター、アナリスト予想、市場動向、及びテクニカル指標を分析し、トップダウン・モデルでは、セクターの動向や景気循環の影響を評価します。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは3AIと連携し、これらの3AIアルファ・スコアに基づいて指数を算出しています。

指数の算出方法

3AIアルファ・スコアを用いて最初に算出された指数のうち、代表的なものがS&P 500®️ 3AI上位100指数とS&P ワールド3AI上位300指数です。各指数は、それぞれの指数ユニバースにおいてスコアの高い企業で構成されており、今後12ヵ月のアルファ予測が最も高い企業のパフォーマンスに連動します。各構成銘柄のウェイトは、それぞれの3AIアルファ・スコアに基づいて設定され、指数は四半期ごとにリバランスされます。詳細については、指数メソドロジーを参照ください。

AIが変える指数の構築方法:S&P 3AI指数の紹介: 図表1

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ダウ工業株平均が5万ドルを突破

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Hamish Preston

Head of U.S. Equities

S&P Dow Jones Indices

ダウ・ジョーンズ工業株価平均®(DJIA)は約130年の歴史で初めて、終値で5万ドルの大台を突破しました。The Dow®が「1万ドル刻みの大台」(3万ドル→4万ドル→5万ドル)を超えるのは、2020年代に入ってから3回目となりました。ある意味当然かもしれませんが、株価水準が上がるほど、次の大台に到達するのに必要な上昇率は小さくなります。今回、The Dowが終値で5万ドルを超えたのは、前回4万ドルを超えてから2年足らずでのことでした。これは、次の「1万ドル刻みの大台」に到達するペースとしては過去最速となります(図表1)。

株価指数の水準が「きりのいい数字」に到達したこと自体に、果たしてどれだけの意味があるのか、懐疑的な見方もあるかもしれません。とはいえ、本稿では今回の大台突破を機に、The Dowのこれまでの歩みを改めて振り返りたいと思います。

ダウ工業株平均が5万ドルを突破: 図表1

チャールズ・ダウは19世紀末、「工業会社こそが米国経済の成長を支える重要な原動力になる」との考えのもと、DJIAを考案しました。DJIAはその後約130年にわたり、米国株式市場の動きを表す重要な指標としての役割を果たしてきました。この指数が長い歴史を持ち、その算出データが長期にわたり蓄積されてきたことは非常に重要な意味を持ちます。つまり、一定の仮定のもとで指数のバックテストを行い、米国株式市場が「どのように推移していただろうか」ということを想像する必要がないからです。また、そうした仮定の妥当性や、その仮定を採用した理由、それらが指数の仮想パフォーマンスに与える影響などについて検証する必要もありません。The Dowを見れば、様々な環境下で米国株式市場が実際にどのように反応したのかが分かるため、市場の動きを読み解く有力な手がかりとなります(図表2参照)。

ここ数十年にわたり、The Dowに連動する様々な金融商品が世界各国で開発されてきました。2024年末時点で、The Dowに連動する金融商品、またはThe Dowをベンチマークとする金融商品の運用資産残高は1,150億ドルに上ると推定されています。また、これらの金融商品が活発に取引されていることは、価格の透明性と市場の効率性を高める上で重要な役割を果たしています。2024年には、The Dowに連動する金融商品の指数換算取引量(IET)が8兆ドルを超えました

ダウ工業株平均が5万ドルを突破: 図表2

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AIの急拡大を支えるインフラ投資

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Abbie Zhang

Senior Analyst, Thematic Indices

S&P Dow Jones Indices

AIは市場を動かす大きな原動力であり、S&P 500®を構成する企業の収益の約50%は直接的または間接的にAIに関連していると推定されています。AIがもたらす収益やAIへの設備投資に関する議論では、インフラをどのように整備するかが大きな焦点となっており、特にデータセンターや電力インフラの増強に注目が集まっています。

データセンターと電力インフラの拡大

企業活動においてデータに基づく意思決定が重視される中で、クラウド・コンピューティングの需要が急拡大しており、これに伴ってデータセンター市場も大きく成長しています。データセンターの市場規模は年平均成長率(CAGR)11.7%のペースで拡大し、2032年には5,849億ドルに達すると予測されています。また、世界のデータセンターの電力需要は2030年までに現在の2倍以上に増加する可能性があり、この増加分のうち、米国のデータセンターの電力需要が約半分を占める見通しです。これは、世界の総電力需要(データセンター以外も含む)の増加分の2割超に相当する規模です。

データセンターをはじめ、先端技術の発展に伴ってエネルギー需要が増大する中で4、米国の電力需要は2030年までに25%、2050年までに78%増加すると見込まれています(ともに2023年比)。こうした需要増大により、電力の安定供給に支障が生じる恐れがあるため、信頼性の高い電力システムを構築することが急務となっています。ある調査によると、米国の電力インフラ投資は、2025年から2029年までの累計で1兆ドル規模に達すると見込まれています。

こうしたインフラ分野に巨額の資金が流入しており、市場の注目を集めています。データセンターや電力インフラの稼働率は、AIの活用度や、AIが世界経済に与える影響を見極めるための重要なシグナルになると考えられます。こうした中で、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは、インフラ分野の動きに連動する以下の2つの指数を提供しています:S&P データセンター・電波塔REIT・通信機器指数、およびS&P 米国電力インフラ・セレクト指数。

S&P データセンター・電波塔REIT・通信機器指数

S&P データセンター・電波塔REIT・通信機器指数は、先進国に本拠を置き、米国市場に上場する企業のうち、データセンター、通信電波塔、および関連機器の保有・運営に携わる企業のパフォーマンスを測定する指数です。

この指数では、ファクトセットのリビア業種・産業分類基準(RBICS)のデータを用いて対象企業を選択しています。対象企業は、「データセンター及び電波塔REIT」と「通信機器」の2つの区分に整理されており、2025年9月20日時点の指数構成比は、前者が約53%、後者が約47%となっています。

この指数の構成銘柄数は25銘柄であり、米国企業のウェイトが大半(94%)を占めています(図表1参照)。また、世界産業分類基準(GICS®)のセクター別で見ると、情報技術セクターと不動産セクターが全体の大部分を占めており、構成比はそれぞれ53.5%、42.5%となっています(図表2参照)。

AIの急拡大を支えるインフラ投資: 図表 1

AIの急拡大を支えるインフラ投資: 図表 2

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金融政策の転換局面におけるS&P 500高配当指数の魅力を検証する

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George Valantasis

Director, Factors and Dividends

S&P Dow Jones Indices

新学期の始まりや気温の低下など、9月は季節の節目であり、しばしば「変化の月」として受け止められます。今年は、この「変化の月」という見方を裏づける新たな要因が加わりました。米連邦準備制度理事会(FRB)は2025年9月17日、フェデラル・ファンド金利の誘導目標を4.00~4.25%に引き下げ、2024年12月以降で初めて金融政策を変更しました。今回の利下げに加え、市場は年内の追加利下げを織り込んでいます。こうした環境下において、S&P 500®高配当指数のような高配当利回り戦略は、市場参加者の高い関心を集める可能性があります。

金融緩和が株価の下支え要因となる中で、S&P 500高配当指数は現在、S&P 500(The 500™)と比べてバリュエーションが非常に割安であることに加え、高い配当利回りを提供しています。本稿では、これらの要素について考察するとともに、S&P 500高配当指数とThe 500の長期パフォーマンスを比較し、特に過去の株価下落局面における両指数の値動きを検証します。また、両指数のセクター・ウェイトについても分析します。

パフォーマンス比較

図表1では、S&P 500高配当指数とThe 500の1991年1月以降のパフォーマンスを比較しています(S&P 500高配当指数のパフォーマンスについては、バックテストの結果に基づいています)。全期間で見ると、S&P 500高配当指数の年率リターンが11.24%であるのに対し、The 500の年率リターンは11.11%にとどまっており、S&P 500高配当指数がThe 500を0.13%アウトパフォームしています。また、図表1に示されている通り、S&P 500高配当指数のアップサイド・キャプチャー(上昇局面での追随)が89.95である一方、ダウンサイド・キャプチャー(下落局面での耐性)は79.15となっています。つまり、S&P 500高配当指数は市場の上昇局面でThe 500に近いパフォーマンスを維持しつつ、下落局面では相対的に下げ幅が抑えられていることが分かります。

金融政策の転換局面におけるS&P 500高配当指数の魅力を検証する: 図表 1

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算出開始から1年:S&P クオリティFCF貴族指数は好調なパフォーマンスを維持

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Elizabeth Bebb

Director, Factor & Dividend Indices

S&P Dow Jones Indices

S&P クオリティFCF貴族指数は2024年9月23日に算出を開始した指数であり、一定の年数にわたり潤沢なフリーキャッシュフロー(FCF)を創出している企業のパフォーマンスに連動します。FCFとは、営業コストや設備投資などの必要経費を賄った上で手元に残る余剰資金であり、企業のクオリティを測定する有効な指標となります。

S&P クオリティFCF貴族指数は当初、S&P 500をユニバースとするS&P 500®クオリティFCF貴族指数と、S&P 先進国大中型株指数をユニバースとするS&P 先進国クオリティFCF貴族指数の2本でスタートしました。両指数の構成銘柄は、少なくとも10年連続でプラスのFCFを生み出している必要があります。両指数は、算出開始から1年間及び2025年の年初来において、それぞれのベンチマークをアウトパフォームしています。S&P 500クオリティFCF貴族指数は、関税ショックによる市場の下落局面において、ベンチマークを大幅にアウトパフォームしました。一方、S&P 先進国クオリティFCF貴族指数は、各国・地域の経済環境下で株価が異なる反応を示す中で、ベンチマークと比べて下げ幅がやや大きくなりました。

算出開始から1年:S&P クオリティFCF貴族指数は好調なパフォーマンスを維持:図表 1

両指数は長期にわたり(仮説に基づくバックテスト期間を含む)、それぞれのベンチマークを一貫してアウトパフォームしており、絶対リターン・ベースで高いパフォーマンスを示すとともに、リスク調整後リターン・ベースでも優れた結果を残しています。

算出開始から1年:S&P クオリティFCF貴族指数は好調なパフォーマンスを維持:図表 2

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