要旨
オプションを組み込んだ上場投資信託(以下、「オプション・ベースETF」という)は、インカム創出、リスク管理、及び機動的な資産配分に活用できる革新的な手段であり、投資の世界で存在感を増しています。
本レポートでは、オプション・ベース戦略のうち、カバード・コール戦略とバッファー戦略の2つに焦点を当て、代表的な指数を例に挙げながら、それぞれの仕組み、特徴、及び活用法を整理します。
2つのオプション戦略の基本的な設計と特徴を整理した上で、これらの戦略によってポートフォリオの下落耐性を高め、パフォーマンスやリスク特性を改善できる可能性があることについて説明します。また、これらの戦略が、市場のボラティリティに対処する上で有効である点についても確認します。

オプション・ベースETFの運用資産残高の増加
ETFは1990年代初頭に登場して以降、幅広い市場に手軽に投資できる流動性の高い投資商品として注目を集めてきました。その後もETFは進化を続け、投資対象の幅が広がるとともに、投資目的に応じて活用できる商品として発展してきました。近年では、米国で規制の見直しが進む中で、より柔軟にデリバティブを活用する環境が整ったことから、多様なオプション・ベースETFが登場し 、ETFは新たな進化を遂げています。
オプション市場はこれまで、インカム創出、リスク管理、及び機動的な資産配分といった目的で活用されてきました。オプション・ベースETFは、これらを1つのETFに集約したものであり、保有しやすく、流動性が高く、なおかつコスト負担が小さいというメリットがあります。したがって、一部の投資家にとっては、伝統的な投資信託やストラクチャード商品、または自分で売買する場合と比べて有利に投資を行うことができます。米国市場に上場しているオプション・ベースETFの運用資産残高(AUM)は着実に増加しており、2019年末の50億ドル未満から、2025年末には2,450億ドルに達しました(図表1参照)。