S&P DJIのティム・エドワーズとアヌ・ガンティと共に、資産連動型指数の継続的な成長に対応して株式・債券取引エコシステムがどのように進化しているか、そしてそれが投資家にとって何を意味するかを考察します。
[トランスクリプト]
ミシェル・ユー
皆さん、こんにちは。
株式と債券取引のエコシステムは、成長を続ける資産連動型インデックスに即してどう発展しているのでしょうか? 今回はまさにこのトピックを取り上げます。
ようこそAsset TVへ。ミシェル・ユーです。今日私と一緒に、インデックスの流動性が高まり続ける状況や、それが投資家に意味するところを話してくれるのは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのインデックス投資戦略部門のティム・エドワーズとアヌ・ガンティです、2人をスタジオへお迎えできて嬉しいです。
さて、まずお聞きしたいのは、インデックスの流動性とは何か、市場参加者となぜ関係があるのか、ということです。ようこそ。アヌからどうぞ。
アヌ・ガンティ
はい、インデックス投資は金融市場において重要な存在であり、インデックス連動型商品の成長は、アクティブとパッシブどちらの投資家にもメリットをもたらす可能性があります。流動性を測る手法の1つに、取引量があります。取引量から投資家の活動の度合いや、アービトレーターが適切に市場を監視しているかが分かります。S&P 500だけを見ると、およそ237兆米ドルの取引量がありますが、これはS&P 500™自体に連動するものです。S&P 500から派生する商品を見ると、例えばセクターやファクター、配当などがありますが、さらに5兆米ドルとなります。これらが合わさって、強固な取引エコシステムを形成しています。
さて、流動性には一定のネットワーク効果があり、そのメリットを分類することができます。1つは価格発見です。当社の商品は世界中にありますが、ほぼ24時間、取引されています。夜のうちに起きたイベントの影響を確認するのに、取引所が開くのを待つ必要はもはやありません。その良い例が米国の株式市場で、寄り付きは通常、先物の夜間取引時間の終値に近いものとなります。もう1つのメリットは、まさしく市場の効率性です。S&P 500連動型のETFに基づく価格を見ると、S&P 500のエコシステムに連動していることが分かります。例えば市場のマーケットメーカーはミスプライスを最小限にしようと、デリバティブ市場全体で様々な取引を組み合わせます。つまりまとめると、信頼感を与えるということです。S&P 500は米国の大型株と連動しているという信頼感、S&P500連動型のETFは、この例でいうと、S&P 500と連動しているという信頼感です。このことが、アクティブ投資家とパッシブ投資家のどちらにとってもメリットとなることを強調したいと思います。
ミシェル・ユー
ありがとうございます、アヌ。
皆さんが知りたい疑問がもう1つあると思いますが、指数連動型商品の利用がどのように発展し、どのようなイノベーションがその発展を可能にしているのか、ということです。ティム、いかがですか?
ティム・エドワーズ
はい、非常に興味深い点です。アヌが言ったように、インデックス連動型商品の利用が拡大していることは、投資手段のベースであれ取引手段のベースであれ、ここ20年間の金融市場において大きな革新の1つです。我々のリサーチは、皆さんに最新の視点をお伝えし、新たなトレンドを見極めるものです。
2024年のデータで興味深いと思ったことがいくつかありますが、まず、意外に思うかもしれませんが、全体的に見ると市場全体で平均保有期間が若干短くなっています。全体的に取引量は増加しましたが、保有期間は短くなりました。平均するとです。ですが、これはある種、大局的な視点です。
それより細かい見方をすると、我々はしばらくの間、債券市場の発展と投資手段としてのパッシブ運用の利用拡大についてリサーチしてきました。債券取引は常に行われてきています。ここで、1つ下のレベルに目を向けると興味深いことがあります。実は、債券の保有期間はわずかに長くなっているのです。つまり、債券ETFなどを用いたパッシブ投資戦略の採用が増えていることがうかがえます。またもう1つ分かったことは、現在の市場におけるリスクの示され方への反応です。少し前は、リスクオンかリスクオフでした。株式あるいは米国債でした。ところが最新のデータでは、もう一段細分化したレベルにおいて成長が見られました。異なる国、異なるセクター、異なる産業を用いて、投資家は見解を示しています。
ミシェル・ユー
ここでこの点について深掘りしたいと思います、セクターや産業は、市場参加者が見解を示すことにどう貢献しているのか、産業やセクターなどにおけるこのエコシステムのサイズや影響について話します。アヌ、いかがですか?
アヌ・ガンティ
はい、セクター連動型商品は新しいものではありません。S&P 500のセクター連動型商品の取引量を見ると、2024年時点で3兆米ドル超にまで成長していますが、これは2019年からおよそ1兆米ドルの上昇になります。そしてこれはETF商品やデリバティブ市場全体のことです。ここで注目すべきは、セクターや産業における先物取引の増加です。実際、取引量、3カ月先物の取引量は2024年に1,000米億ドルを超え、2019年からおよそ3倍となりました。非常に興味深いことです。
さて、セクターの事例については、アセットアロケーションでトップダウンの見方をするアクティブ投資家がいますが、彼らはセクターを用いて自身の見解を示すことが容易にできます。ボトムアップ投資家もセクターを用いてセクター関連株式の見解を示すことができます。セクターは非常にユニークで興味深く、我々も複数のリサーチを行ってきましたが、時価総額という点で広いキャパシティがあるため、投資家がそれぞれの見解を示すことが可能です。つまり、まとめると、先ほど話した点に戻りますが、セクター連動型商品は、価格発見や市場効率をより細かいレベルで引き上げることに貢献できます。
ミシェル・ユー
そして最後になりますが、指数連動型商品はパッシブ運用の話だと考える方もいると思いますが、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのリサーチによると、アクティブ運用にも及ぶことが分かっています。ティムに解説をお願いします。
ティム・エドワーズ
はい、伝統的にパッシブ投資とインデックス投資はほぼ置き換え可能な言葉だと考えられています。とはいえ、ほとんどの日において、毎日ではないですが、インデックスファンドは取引量が世界一となっています。具体的に言うとS&P 500 ETFです。我々のデータによると、市場全体における平均保有期間は、数日単位ではなくても、週、おそらく数週間の単位で記録されています。実際には、インデックス連動型商品はパッシブ投資家とアクティブ投資家の両方に利用されていて、アクティブ投資の事例は、なにしろ、ますます強力なものになっています。より広範なツールを手に入れることになるからです。S&P 500だけではありません。様々な産業やセクター。様々なファクター、様々な国。債券市場の様々な部分です。それにより、投資家が自らの見解を示すことが可能になりますし、自分の見解を示すことにより、競争して適正価格を得ることができるのです。ですから透明性や市場効率を向上させる要因となり、全ての人のメリットとなります。
とはいえ、このリサーチの真の意義だと思うのは、インデックス連動型商品を利用する投資家がどれだけアクティブか、あるいはそうでないかを示している点です。そしてその答えは、確かに非常にパッシブな事例もありますし、非常にパッシブな投資家もいます。非常にアクティブで非常に頻繁に取引を行う投資家も市場に存在するのです。
ミシェル・ユー
ありがとうございます、ティム、アヌ。金融のエキスパートのお2人にAsset TVのスタジオに来てもらうことは、常に素晴らしいことです。お越しいただきありがとうございます。
今回のAsset TVはここまでです。流動性の状況やS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスに関連する商品をさらに詳しく知りたい方は、以下のリンクへどうぞ。
ミシェル・ユーでした、次回のAsset TVでお会いしましょう。