THE S&P 500 MARKET: 2025年8月
個人的見解: そしてビートは続く(市場は上昇したが、ばらつきがあり選別色が強い)
S&P500指数は上昇基調を維持し、8月に終値での最高値を5回更新しました(取引時間中の最高値は6,508.23、終値での最高値は6,501.86)。これにより、終値での最高値更新は年初来で20回、2024年11月5日の米大統領選挙以降では30回になりました。ダウ・ジョーンズ工業株価平均(ダウ平均)もようやく、今年に入って1回目と2回目の終値での最高値更新を記録しました(取引時間中の最高値は45,757.84ドル、終値での最高値は45,636.90ドル)。前回の終値での最高値更新は2024年12月4日の45,014.04ドルでした。市場の勢いを見ると、S&P500指数は関税発表直後の4月8日に付けた4,982.77(年初来で15.28%下落)の安値以降に29.65%上昇し、11セクターすべてが上昇しています。同期間に指数構成銘柄のうち432銘柄が上昇(78銘柄は50%以上上昇)、71銘柄が下落(27銘柄は10%以上下落)となり、指数全体の時価総額が12兆5,540億ドル増加し、同指数はこの間に終値での最高値を17回更新しています。トップニュースで取り上げられることはありませんでしたが、背景では企業業績が引き続き大きく貢献しています。S&P500指数構成企業の2025年第2四半期の営業利益は前年同期比10.6%増、売上高は同5.1%増が見込まれ、いずれも四半期ベースで過去最高を更新する見通しです。企業は関税コストの大部分を吸収していますが、まもなく一部を消費者に転嫁すると予告しています。今後の買いを支える材料は下半期の企業業績ですが、先日承認された歳出法案での2025年の法人減税と2026年の個人減税に後押しされ、さらなる過去最高の更新が予想されます。失業率はわずかに上昇していますが、雇用は依然として高水準を維持していることから、消費者は活発な消費を続け、経済を下支えすると予想されます。
8月にS&P500指数は1.91%上昇し(7月は2.17%上昇、6月は4.96%上昇)、11セクターのうち9セクターが上昇しました(7月は6セクターが上昇)。337銘柄が値上がりし、166銘柄が値下がりしました(7月は279銘柄が値上がり、222銘柄が値下がり)。8月のパフォーマンスが最高となったセクターは素材で5.59%上昇し、年初来では10.27%上昇となりました。パフォーマンスが最低だったのは公益事業で2.03%下落しましたが、年初来では10.73%上昇しています。年初来で見ると、S&P500指数は9.84%上昇(配当込みのトータルリターンはプラス10.79%)、11セクターのうち10セクターが上昇となり、310銘柄が値上がりし、193銘柄が値下がりしています。セクター別で年初来パフォーマンスが最高となったのはコミュニケーションサービスで17.21%上昇した一方、ヘルスケアは0.41%下落して最低となっています。長期にわたり投資を続けていけば、豊かになります。投資と共にあらんことを。
9月の株式市場では、関税が引き続き注目材料となる見通しで、企業業績では第3四半期決算に市場の目が向い始めます。市場は、9月16-17日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)に先立って発表される経済指標に反応を示すと見られます。9月5日には月次雇用統計、10日には生産者物価指数(PPI)、11日には消費者物価指数(CPI)が発表され、17日にはトランプ大統領によるTikTok禁止法の執行猶予が期限を迎えます。17日と言えば、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を発表する予定で(発表は午後2時の予定)、市場は0.25%の利下げを予想するとともに、10月28-29日の次回FOMCでの追加利下げの可能性に関するFRB議長のコメントに注目しています(議長の記者会見は午後2時30分の予定)。9月には、2025年8月29日の取引終了後に連邦控訴裁判所が下した、トランプ関税を無効とする一審の判決を支持する判断(7対4)に対して、トランプ政権が最高裁判所へ上訴すると予想されます。なお、トランプ大統領には国家安全保障や通商面を通じて関税を実施する複数の代替策がありますが、その大半には制約があります。月末には政府の会計年度が終了し、財政支出には承認が必要となります(承認がなければ政府機関は閉鎖されます)。