概要
- S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは2002年にSPIVA米国スコアカードを最 初に発行しました。それ以来、このスコアカードはパッシブ運用とアクティブ運 用の議論において高い注目を集める調査となっています。弊社はこれまで長 年にわたって積み上げてきた経験を生かし、ここ数年でスコアカードの対象 をオーストラリア、カナダ、欧州、インド、南アフリカ、ラテンアメリカ、そして日 本に拡充しました。このレポートでは、主にSPIVA日本スコアカードの結果を 紹介しています。このレポートにより、パッシブ運用とアクティブ運用に関する 議論が決着するわけではありませんが、各市場セグメントの中でどちらの運 用戦略が有効に機能したかを調査することにより、有益な情報を提供できる ものと期待しています。
- SPIVA日本スコアカードでは、アクティブに運用されている日本の投資信託 についてそれぞれのベンチマーク指数に対するパフォーマンスを1年、3年、 5年、10年の投資期間にわたり報告します。このスコアカードでは、764以上 の日本の大型株、中型株、小型株の株式投資信託についてリターンを評価 しました。また、グローバル市場、国際市場、新興国市場、及び北米市場を 投資対象とする583以上の国際株式型ファンドについてもリターンを評価し ました。
- 国内株式ファンド:2017年6月末までの12ヶ月間で、S&P/TOPIX 150指数 は31.5%、S&P日本中小型株指数は31.8%の大幅上昇となりました。同時 期に、日本の大型株ファンド及び日本の中小型株ファンドは平均でそれぞれ のベンチマークをややアンダーパフォームしました。日本の大型株ファンドの 71%、及び日本の中小型株ファンドの58%がベンチマークのリターンを下回 りました。リスク調整後ベースでは、日本の大型株ファンドの49%のみが S&P/TOPIX 150指数をアンダーパフォームした一方で、中小型株ファンドで は78%がS&P日本中小型株指数をアンダーパフォームしました。 過去10年の期間では、日本の大型株ファンドの63%以上、及び中小型株フ ァンドの65%以上がそれぞれのベンチマークを絶対ベース及びリスク調整後 ベースの両方でアンダーパフォームしました。同期間において、大型株ファン ドの31%、中小型株ファンドの39%が統合、または清算されました。中小型 株ファンドでは、均等加重リターンが資産加重リターンを、1年、3年、5年、及 び10年の期間で一貫してアウトパフォームしており、このカテゴリーでは、小 規模なファンドが、規模の大きなファンドよりもパフォーマンスが良かったこと を示しています。