(2011年9月16日、東京=S&P)– 本日、スタンダード&プアーズ(S&P)インデックス・サービス部門と株式会社 東京証券取引所は、S&P/TOPIX 150指数からの乖離を最小にしながら、炭素排出量を原指数より低く抑えるように各銘柄の構成比率を調整したS&P/TOPIX 150カーボン・エフィシェント指数の算出・公表開始を発表しました。
S&P/TOPIX 150 カーボン・エフィシェント指数は、S&Pが東京証券取引所と共同開発したS&P/TOPIX 150の構成銘柄を維持しつつ、各企業の炭素排出量を基に、各セクター毎に銘柄を比較し、構成比率を調整したものです。炭素排出量はTrucost Plc社により算出されます。この炭素排出量は、各企業毎の年間温室効果ガス排出量評価を元に年間の二酸化炭素排出量(トン)を年間収益で除して算出されます。その結果、S&P/TOPIX 150 カーボン・エフィシェント指数は元指数とのパフォーマンスの差を1%以内に抑えながら、指数全体における炭素排出量を低く抑えることができます。
S&Pインデックス・サービス バイス・プレジデント アルカ・バナジーは、「この度、日本の皆様にS&P/TOPIX 150 カーボン・エフィシェント指数をご紹介できることを嬉しく思う。炭素排出量測定は、新たな投資ユニバース構築において重要な側面であり、かつ炭素排出量、及び真の事業コストを考慮した投資に対する投資家の需要は増している。当指数を通じて、日本企業は、さらに炭素排出量を削減することによる得られる財務及びその他の事業利益について一層理解を深め、その価値を理解することができるだろう。」と述べました。
株式会社 東京証券取引所 執行役員 岩永 守幸は、「東京証券取引所は、S&P社と当指数を共同開発できて嬉しく思う。我々は国際的な取引所として責任感を持ち、将来的な課題に取り組んでおり、環境に配慮した企業への投資を促進する金融商品を提供することの重要性を認識している。S&P/TOPIX 150 カーボン・エフィシェント指数の算出・公表によって、東京証券取引所が環境に配慮した組織であること、また、日本の投資家及び金融機関の皆様方に新たな投資機会を提供する組織だということを改めてご理解いただけると信じている。」と述べました。
Trucost社環境金融担当責任者 ニール・マックインドゥは、「S&P社と共同でS&P/TOPIX150カーボン・エフィシェント指数の炭素排出量を算出・分析することができ光栄に思う。当指数をベンチマークとして利用することで、より炭素排出量の低い企業へと資産を配分することができる。このことにより、日本の上場企業が炭素排出量の少ない燃料、技術、製造プロセスを導入する良いきっかけとなるだろう。また、エネルギーの使用と炭素排出量の間で緊密な相関関係があるのであれば、投資家は、企業収益に影響を及ぼす可能性のある環境にかかる追加費用が発生するリスクを認識・削減することで、利益を得ることが出来る。」と述べました。