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気候変動への対応 – あらゆる目的に沿った指数

米国の代表的な株価指数であるS&P 500®とDJIA®の比較

S&P 500® ESG指数:環境・社会・ガバナンス(ESG)価値をコア投資に統合する

気候シナリオ、実質ゼロ、および不確実性

S&P 500® ESG指数: サステナブル・コアの定義

気候変動への対応 – あらゆる目的に沿った指数

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Jaspreet Duhra

Managing Director, Global Head of ESG Indices

サマリー

  • 世界は、気候変動のリスク及び影響を減らすために温室効果ガス排出量を削減する必要性に迫られています。投資家を含む利害関係者の責任ある行動が求められています。
  • S&P DJIは、S&P グローバルの一部門であるTrucostが作成する詳細な気候データセットを活用し、革新的な気候指数を開発しています。
  • S&P DJIの気候変動指数は、不適切な投資対象の除外(ダイベストメント)、脱炭素化、及びリスク回避から、科学的根拠に基づく5°Cシナリオへの合致に至るまで、投資家の幅広い目的に対応しています。

気候変動指数を開発した理由は?

科学的事実

国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、「人間の活動により、世界の平均気温は産業革命前の水準と比べて約1.0°C上昇したと推定される」と表明しました1。世界の現在の気候政策はベースライン排出量を削減することを目指していますが、それでも世界の平均気温は2100年までに3.0°C上昇すると予測されています2。IPCCは、世界の気温上昇を産業革命前の水準から1.5°C未満に抑えることを勧告しています。

地球温暖化に伴う環境や生態系への影響がすでに観測されています。エコシステムの崩壊が進んでおり、一部の影響は長期にわたり継続すると予想され、元の状態に戻らない可能性もあります。

規制

人間の行動が地球温暖化を招いているということは科学的コンセンサスであり、こうした中で政府や規制当局は措置を講じています。2015年12月にはパリ協定が採択され、人類は気候変動対策における大きな一歩を踏み出しました。パリ協定では、IPCCが提言したように、地球の温暖化を産業革命前の水準と比較して2°Cより十分低く保つとともに、1.5°Cに抑える努力を追求することが掲げられ、危険な気候変動を避けるための国際的枠組みが合意されました3。国連気候変動枠組条約の1974の締結国の内、189ヵ国がパリ協定を批准しており、これらの批准国はそれぞれ、「国が決定する貢献(世界の温室効果ガス排出量削減目標に対する個別国の貢献)」を公約しています。

欧州連合(EU)はEU全体で温室効果ガス排出量を2030年までに1990年比で40%削減することを公約しています。パリ協定の下でEUの公約を支援するため、EUは「欧州グリーンディール5」を採択しました。欧州グリーンディールとは、持続可能な金融のワークストリームやサステナブル・ファイナンス行動計画6(気候中立な経済への移行に向けて民間投資を促すための意欲的なプロジェクト)などを柱とする気候変動対策です。EUの権限は広範囲に及んでおり、自主的な気候ベンチマーク・ラベルに関する規制は、パッシブ投資家にとって特に重要なものとなります。これについては、後述の「(EU)パリ協定準拠ベンチマーク及び気候変動指数」のセクションを参照ください。

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米国の代表的な株価指数であるS&P 500®とDJIA®の比較

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Garrett Glawe

Managing Director, Head of U.S. Equity Indices

S&P Dow Jones Indices

はじめに

米国大型株の動向を表す S&P 500 とダウ・ジョーンズ工業株平均®(DJIA) はともに世界で最も有名な株価指数となっています。これらの指数が開発 されたことにより、投資家が株式市場を測定する方法や、投資ポートフォ リオのパフォーマンスを評価する方法が変わりました。また、これらの指 数は、世界で最も成功している指数連動型商品やデリバティブ契約の基礎 としての役割も果たしています。

当社の推定によると、2019 年末時点で、S&P 500 をベンチマークとする 運用資産の総額は 112,000 億ドルを超えており、そのうち S&P 500 に パッシブに連動する運用資産は 46,000 億ドルに上っていました。一方、 DJIA をベンチマークとする運用資産の総額は 320 億ドルとなっており、 そのうち DJIA にパッシブに連動する運用資産は 280 億ドルに上っていま した1。

上記の推定によると、S&P 500 DJIA よりも多くの運用資産を集めてい ます。しかし、DJIA にもいくつかの強みがあり、例えば DJIA はよりシン プルな株価指数となっています。また、DJIAS&P 500 よりも長い歴史 を有しており、2021526 日には算出開始から 125 周年を迎えました。 過去のレポート2でも言及したように、DJIA に連動する投資商品の取引高 は、DJIA をベンチマークとする運用資産の残高よりも多くなっています。

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S&P 500® ESG指数:環境・社会・ガバナンス(ESG)価値をコア投資に統合する

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Reid Steadman

Managing Director, Global Head of ESG & Innovation

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Daniel Perrone

Director and Head of Operations, ESG Indices

エグゼクティブ・サマリー
• S&P 500 ESG 指数は、環境・社会・ガバナンス(ESG)要因を銘 柄選択プロセスに組み込んだ指数となっています。

• 同指数は、ベンチマークとしての機能を果たすことができ、指数に 連動する投資商品の基礎として利用することも可能です。同指数は 市場の幅広い範囲をカバーし、業種を分散させているため、S&P 500 と同様のリターン特性を有しています。
• 同指数では、S&P DJI ESG スコア(4 ページを参照)や、その他の ESG データを使用して構成銘柄を選択しており、S&P 500 内の各 産業グループの時価総額の 75%をカバーすることを目標としてい ます。
S&P 500 ESG 指数では、タバコ会社、非人道的兵器に関与してい る企業、及び国連グローバル・コンパクト(UNGC)に準拠してい ない企業は除外されます。これに加えて、世界産業分類基準 GICS)の産業グループ内の企業の中で S&P DJI ESG スコアが下 位 25%に入っている企業も除外されます。
• 当社のメソドロジーにより、S&P 500 と比較してコンポジット ESG スコアが改善されます。このことはすべての産業に当てはま ります。

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気候シナリオ、実質ゼロ、および不確実性

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Ben Leale-Green

Senior Analyst, Research & Design, ESG Indices

エグゼクティブ・サマリー
• 温室効果ガス排出量実質ゼロ宣言に署名する運用機関が増え始めてお り、「ネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス」および「ネッ トゼロ・アセット・マネジャーズ・イニシアチブ」に参加する運用機 関の資産はそれぞれ 5 兆 7,000 億ドルおよび 37 兆ドルに上っていま す

• 楽観的な目標を達成できたとしても、世界は 1.5℃シナリオを達成で きないと考えられています(図表 1参照)。
• 科学的コンセンサスによると、1.5℃目標を達成するためには、2050 年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする必要があります。一 方、2℃目標を達成するには、それよりも遅い 20702080 年頃まで に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする必要があります。
• 絶対的温室効果ガス(GHG)排出量削減(特定のシナリオを追跡す る)では、これらの目標達成に合致している一方で、相対的温室効果 ガス排出量削減(原指数に対する削減)はより適切ではあるものの、 必ずしもこれらの目標達成に合致していません。
S&P PACT 指数(S&P パリ協定準拠気候変動指数)は、絶対的脱 炭素化目標を達成するように設計されています。

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S&P 500® ESG指数: サステナブル・コアの定義

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Reid Steadman

Managing Director, Global Head of ESG & Innovation

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Mona Naqvi

Global Head of ESG Capital Markets Strategy, S&P Global

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Daniel Perrone

Director and Head of Operations, ESG Indices

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Margaret Dorn

Senior Director, ESG Client Engagement North America

はじめに

サステナブル投資が拡大する中で、弊社では2019年4月にS&P 500 ESG指数の算出を開始しました。環境、社会、及びガバナンス(ESG)データに基づく指数は、企業が持続可能性に積極的に取り組んでいることを示すための単なる手段ではなく、投資家のポートフォリオにおいて小さな役割しか果たさない戦術的な投資を管理するためのツールでもありません。S&P 500 ESG指数及びその他のサステナビリティ指数は、戦略的かつ長期的な主要投資商品の基礎となるように構築されています。

ここ数十年にわたり、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックスのようなESG指数に企業が採用されることは、持続可能性に配慮した責任ある企業として認められていることを示す証となってきました。こうした中で、企業はESG指数に採用されることを目指し、様々な利害関係者や目標を考慮しながら事業運営を行ってきました。しかし、世界的に有名なESG指数の採用基準は非常に厳しいため、ESG評価が最も高い一握りの企業しか採用されません。したがって、これらの指数では構成銘柄が偏る傾向があり、個人投資家や機関投資家はそれに伴うリスクを懸念しています。

S&P 500 ESG指数では、構成銘柄の選定基準にESG要因を組み込むと同時に、ベンチマークと同等のパフォーマンスを提供することを目標としています。S&P 500 ESG指数は、S&P 500構成銘柄の中の300社以上を採用しているため、S&P 500が持つ多くの特性を反映する一方で、サステナビリティ・プロファイルも改善しています。

本レポートでは、S&P 500 ESG指数の概要を説明します。この指数に関して投資家の興味を引く特徴は以下の通りです:

  • 指数メソドロジーが理解しやすい
  • 「財務的重要性」に基づいて指数を構築する
  • S&P 500 ESG指数とS&P 500のリスク・リターン特性が似ている
  • ESG特性の観点からすると、S&P 500 ESG指数はS&P 500よりも優れている
  • S&P 500 ESG指数のメソドロジーによって企業をどのように分類・選別するかを示す具体例となっている

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