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S&P Kenshoニュー・エコノミー四半期コメント

マーケット分析レポート S&P 500 2023年4月

World by Numbers: S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス株価指数による2023年4月の世界市場パフォーマンス・サマリー

マーケット分析レポート S&P 500 2023年3月

World by Numbers: S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス株価指数による2023年3月の世界市場パフォーマンス・サマリー

S&P Kenshoニュー・エコノミー四半期コメント

S&P Kenshoニュー・エコノミー指数は、第四次産業革命を牽引する産業とイノベーションの動きを捉える

2023年第1四半期において、米国の株式市場は全ての時価総額カテゴリーでプラスのリターンとなり、S&P コンポジット1500®指数は7.2%上昇しました。ただし、3月には2008年以降で最大の銀行破綻が米国で起こり、一時は欧州にも混乱が波及したことから、市場のボラティリティが大幅に高まりました。1月と2月は昨年とは異なる展開となり、S&P 500®のコミュニケーション・サービス・セクターと一般消費財・サービス・セクターがアウトパフォームした一方、エネルギー・セクターとヘルスケア・セクターがアンダーパフォームしました。3月の米銀の破綻劇を受け、第1四半期全体では金融セクター(5.6%下落)が最低のパフォーマンスとなった一方、情報技術セクター(22%上昇)とコミュニケーション・サービス・セクター(20.5%上昇)が最高のパフォーマンスとなりました。金融セクターのリターンはこれまで、米国10年国債利回りと密接に連動していましたが、ここ最近では両者の相関が大きく低下しています。米国の地方銀行の株価が下落したことを受け、米国の小型株がアンダーパフォームし、3月にはS&P 小型株600指数がS&P 500情報技術株指数を大幅にアンダーパフォームしました。グロース株がアウトパフォームする一方、ディフェンシブ・セクターがアンダーパフォームする傾向が続いており、S&P 500のファクター指数でも、高ベータ指数とグロース指数がアウトパフォームした一方、高配当指数、ピュア・バリュー指数、及び低ボラティリティ指数がアンダーパフォームしました。S&P Kenshoニュー・エコノミー指数の25のサブセクター指数のうち、22のサブセクター指数が第1四半期にプラスのリターンとなり、これはS&P Kenshoニュー・エコノミー指数が2021年第1四半期に高値を付けて以降で初めてのことでした。米国以外のほとんどの株式市場も第1四半期に上昇し、欧州株式(10.5%上昇)は米国株式を大幅にアウトパフォームしました。一方、新興国株式は比較的緩やかな上昇(2.3%上昇)にとどまりました。

米連邦準備制度理事会(FRB)は今年最初の米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り0.25%の利上げを決定し、市場が織り込むターミナルレート(政策金利の最終到達点)の予想水準は一時5.7%近くに達しました。インフレ率の高止まりや堅調な労働市場を背景に、FRBは難しい政策判断を迫られていましたが、シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を受け、状況が一変しました。銀行セクターが混乱する中で、金利先物市場が織り込む2023年の利上げ回数が減少しました。第1四半期には米国債に大量の資金が流入したため、米国債は3%のリターンとなり、四半期としてはここ3年近くで最高のパフォーマンスの1つとなりました。しかし、シリコンバレー銀行の破綻により、金融状況が逼迫する中で、債券市場ではハイ・イールド債をはじめとする高リスクのセグメントが軟調な展開となりました。FRBと同様に、イングランド銀行と欧州中央銀行(ECB)も第1四半期に利上げを行いました。FRBの利上げ停止観測が浮上する中で、米ドルは第1四半期に主要通貨に対して弱含みの展開となりました。一方、利上げ停止観測や銀行の信用不安などを受け、金価格は2,000ドルを突破し、過去最高値に近い水準まで上昇しました。原油価格は昨年第3及び第4四半期に下落しましたが、今年第1四半期には下落基調が一服しました。また、石油輸出国機構(OPEC)が4月初めに予想外の追加減産を発表したことから、原油価格は上昇に転じました。米連邦政府の債務残高はすでに法定上限に達しており、議会で上限の引き上げが承認されなければデフォルトに陥る可能性があるため、米国のソブリンCDSスプレッドが拡大しています。



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