THE S&P 500 MARKET: 2025年12月
S&P500指数の2025年のトータルリターンはプラス17.88%(マグニフィセント・セブンを除くとプラス10.36%)、過去3年間のトータルリターンはプラス86.11%で年率換算するとプラス23.01%(同プラス38.89%、プラス11.57%)
12月のS&P500指数は 、11月に見られた銘柄の入れ替えによるもみ合いの展開が続きましたが、資金の流出はほとんどなく(一部は金と銀に流れましたが、原油へは流れませんでした)、国内外の投資家からの力強い資金流入が持続しました。米国の金利が高止まりした一方で、ドルは低水準にとどまりましたが、これらは全くの無関係ではありません。最終的に、S&P500指数は0.05%と小幅に下落して月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス0.06%)。11月は0.13%上昇、その前の10カ月間の累計では16.30%上昇しており(7カ月で上昇、3カ月で下落)、2025年通年では16.39%上昇という十分な結果となりましたが、2023年の24.23%上昇、2024年の23.31%上昇と比べると、2年連続で上昇率が縮小したことになります。過去3年間のトータルリターンはプラス86.11%(年率23.01%)となり、目下差し迫った問題は2026年の市場です。ボトムアップコンセンサスによると、1年後のS&P500指数の目標株価は8,001であり、2026年に16.9%上昇が見込まれています。これが実現すれば4年連続の2桁上昇となり、1995年~1999年に記録した5年連続の2桁上昇(累計で220%上昇)に次ぐ記録となります(各年の騰落率データは下記を参照)。指数上昇の内訳を見ると、毎度お馴染みのマグニフィセント・セブンがリターンの多くを占めています。3年間のトータルリターンのうち55%をマグニフィセント・セブンが占 めており、プラス86.11%(年率23.01%)のトータルリターンは、これら7銘柄を除くとプラス39%(同11.6%)となり、2025年のトータルリターンはプラス17.88%がプラス10.4%になります。さらに、2026年についても、プラス16.9%(3年連続の上昇率縮小となる見通しです)の予想がプラス9.3%になります。しかも、すでに高い比重を占めている銘柄の比重が一段と高くなることが予想され、NVIDIA(NVDA)とMicrosoft(MSFT)(2銘柄合計でS&P500指数の時価総額の14%を占める)だけでリターンの30%を占めるとみられます。つまり、指数全体の16.9%の予想リターンは2銘柄を除いただけで11.8%になってしまうのです。苦労と報酬を測る指数があるわけではありませんが、振り返ってみると、大半の人が利益を得たとはいえ、2025年は決して楽な年ではありませんでした。2026年が楽になると思っているのは、すでに利益を確定して、その利益を安全な投資先に避難させた人だけでしょう。もはやリスクのない投資先など思いつかないため、何が安全な投資先なのかは明記しないでおきます。
S&P500指数は2025年に16.39%上昇しました(配当込みのトータルリターンはプラス17.88%)。2024年は23.31%上昇(同プラス25.02%)、2023年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年は19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。値上がり銘柄数は304銘柄(2024年は332銘柄、2023年は332銘柄)、値下がり銘柄数は196銘柄(同169銘柄、179銘柄)となり、値上がり銘柄の割合がやや低下しました。2025年には11セクターのうち10セクターが上昇し、年間パフォーマンスが最高となったのはコミュニケーションサービスの32.41%上昇、最低だったのは不動産の0.35%下落でした。2024年は10セクターが上昇(最高はコミュニケーションサービスの38.89%上昇、最低は素材の1.83%下落)、2023年は8セクターが上昇(最高はコミュニケーションサービスの54.36%上昇、最低は公益事業の10.20%下落)でした。2022年は不振の年で、S&P500指数は19.44%下落し、上昇したのはエネルギーの1セクターのみ(59.05%上昇)で、10セクターが下落しました(コミュニケーションサービスは40.42%下落)。また、2022年には139銘柄が上昇し、363銘柄が下落しました。リスク指標とも言えるVIX恐怖指数は関税問題を受けて一時は急上昇し、4月7日には60.13を付けましたが、12月には年初来の最低値を付け、2024年末の17.35から低下して15.01で年を終えました。日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は2025年に1.18%となりました(2024年の0.91%や2023年の1.04%から上昇、過去平均は1.40%)。年間の取引ボラティリティは前年比で31%上昇しました。2024年は同2%低下、2023年は同1%低下でした。S&P500指数の時価総額は2025年に8兆6,330億ドル増加して58兆4,380億ドルで年を終え、さらに配当として総額6,710億ドルが投資家に支払われました。指数全体の時価総額は過去3年間で26兆3,050億ドル増加し、配当総額は1兆8,880億ドルでした。