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【メーカー別】日本国内の自動車生産台数の現状と予測を徹底解説!

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「日本の自動車生産の現状が知りたい」「メーカー別の自動車生産状況は?」と気になる方は多いでしょう。2024年1月に発生した能登半島地震や、認証不正問題がどう影響しているかなど、多くの懸念点があります。

そこで本記事では日本国内における自動車生産台数の現状と、メーカー別の生産状況について徹底解説します。

想定外のリスクが各メーカーに与えた影響を知ることで、今後の予測や現状理解が可能です。要点を押さえて説明しているので、ぜひ最後までご覧ください。

日本の自動車生産台数の現状と予測

この章では、日本における自動車生産台数の現状と予測を解説します。

図は、2023年12月から2024年2月までの3ヶ月の自動車生産予測の変遷を示しています。

2023年はレガシー半導体の逼迫が改善しおよそ860万台と大幅に回復、その後の2024年は大幅に下方修正しています。

各見出しは、2023年〜2025年におけるポイントをまとめています。

2023年ようやくレガシー半導体需要が改善

2020年〜2022年に発生した世界的な供給制約は、2023年にようやく解消されました。日本国内においても深刻な影響を与えた反面、2023年は需要逼迫問題が深刻であった2年間に積み残された、いわゆる繰延需要によって下支えされたという状況です。

その意味からも860万台という値が、現在の世界の需要を反映していることはないと考えています。

以上から2024年、2025年の生産水準を占ううえで、2023年を基準にするのは大きなリスクです。

2024年1Q突発事故により先行き不透明感が漂う

2024年の1Qは、トヨタグループの認証不正や能登半島地震などの突発事故が頻発したことにより、現在でも先行き不透明感が漂っています。

具体的には2023年12月から2024年2月まで、30万台以上を下方修正しています。北米向けの在庫調整も要因の1つです。

後半の章では、各事象がどの程度のインパクトであるかを定量的に示し、さらにその意味についても深掘りします。

2025年BEV開発遅れによる内燃機関輸出の機会損失が拡大

2025年は、引き続き下降トレンドと見ています。

主たる理由としては、日系メーカーのBEV開発の遅れにより、内燃機関輸出機会の損失が拡大すると見込んでいるためです。

内需は減税で下支えされますが、輸出の勢いは低下すると予想しています。

しかし少なくとも短期的に見ると、世界のBEV普及ペースは想定よりも減速傾向です。

これにより、日本の輸出がどの程度の恩恵を受けるかについては、慎重な検討が必要です。

国内の自動車生産台数の月別生産予測

この章では、国内の自動車生産の状況について月別のグラフで解説します。

上のグラフは2023年12月の予測から2024年2月の最終予測までの変遷を、下の表は値の増減要因を示しています。

つまり、グラフの破線と実線とのギャップの発生について、下表縦軸にある要素が影響していると理解してください。

要因は大きく下記の3種類です。

  1. トヨタグループの認証不正
  2. 能登半島地震
  3. その他

なお、下表の右軸は各項目における要因別の通年の調整幅を示しています。

1Q(1月~3月)に集中して下方修正が発生

グラフ全体を見ると最終的に通年で30万台分の調整を行っていますが(表の最右下の合計値)、この内のほとんどが1月〜3月に集中していることがわかります。

最も大きな影響を与えたのがトヨタグループの認証不正、次いで能登半島地震です。地震の影響により、局所的ですが部品供給制約が発生しています。

これらの影響が1Qに集中しているため、大幅に下方修正するという結果になりました。

しかし、上記のマイナス要因に対して、下記のようなプラス要因は考慮されていません。

  • マイナス影響による挽回生産
  • BEV普及ペースの遅れによる輸出機会の増大 など

そのため、本記事で提示している表は最悪のシナリオを想定しており、来月以降は上方修正がかかる認識です。

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メーカー別自動車生産台数の予測【トヨタ、ダイハツ】

この章では、トヨタおよびダイハツの月別の生産予測推移について紹介します。

※表中のCapacityは、年間の生産能力を12ヶ月で等分したもので、厳密な月別の生産能力ではありません。

しかし現在の最新予測では、Capacityに対してどの程度の挽回生産機会があるかについての1つの指標となるでしょう。

トヨタ

トヨタでは1月〜3月を大幅に下方修正し、12月時点の予測よりも7万5000台の減少と試算しました。

下方修正の主な原因は、1Qに発生した下記の事項です。

  • ディーゼル認証不正
  • 品質確認
  • 大雪による稼働停止

下記に示すプラス要因を加味し12万台のプラス増産を織り込むと、最終的に2024年の生産は310万台の想定です。

  • ディーゼルの挽回生産
  • HEVの需要増

2Q以降は、ディーゼル認証不正が発生した2工場の再稼働のタイミングが大きなポイントです。現時点では3月の稼働再開を予想しています。

また4月以降は1日あたり1万3000台の生産ペースとみていますが、仮に1万4000台 / 日まで増加させた場合、年間生産台数はおよそ〜320万台程度の上振れになると予測しています。

ダイハツ

ダイハツは1月における生産0台の段階から、2月中旬〜商用車の生産が立ち上がる点は確定しています。

そのため、ここでのポイントは乗用車の生産です。

商用車の生産再開の発表後、実際の生産開始までに1ヶ月の時間を要したことに鑑み、3月下旬に乗用車の生産開始、7月にフル稼働に戻るという流れを予想しています。

ダイハツの減産分は下記の理由から、来年以降のダイハツの繰延需要になる公算が大きいと考えています。

  • 1月の販売実績は約2万台(前年同月比62%減)だが、一部を完成車在庫でカバー
  • 顧客ロイヤリティが高水準で維持されている

しかし7月以降のフル稼働後、ダイハツの生産能力では年内の増産は難しいと見ています。加えて、電動化の開発も難航している点は大きなリスクです。

メーカー別自動車生産台数の予測【ホンダ、スズキ、三菱】

この章では、ホンダ、スズキおよび三菱の月別の生産予測推移について紹介します。

ホンダ

ホンダは、1月〜3月の減産規模が顕著です。主な原因は能登半島地震による半導体関連分野の供給制約で、鈴鹿工場での軽自動車の減産拡大が影響しています。

一部では3月にも影響が残ると予想され、減産の程度としては1Qだけで5万5000台の見込みです。

そのため、2024年の生産はおよそ72万台を想定しています。

ホンダの場合は、供給制約解消のタイミングが最大のポイントです。現時点では3月とみており、4月以降に伸びる可能性は低いでしょう。

1Qの減産分を4月以降に挽回できるかがポイントですが、既にフル稼働状態での生産計画であるため、挽回生産は非常に厳しい状況です。

したがって、1月〜3月に落ちた生産台数分が年内の売り上げ喪失に直結すると考えられます。

スズキ

スズキは、能登半島地震による供給制約の影響をあまり受けていない点が特徴です。岩田工場の軽商用車ラインでは残業カットなどの影響がありますが、ホンダと比較すると影響はほとんどないといえます。

また、2023年に発売されたSwift、Spaciaの販売が好調です。ただし軽乗用車Spaciaは、ダイハツの認証不正に伴って増産機会が得られるはずですが、昨年からフル稼働状態が継続しているため、増産チャンスは非常に乏しいと見ています。

したがって、2024年の生産台数は100万台が上限になる見込みです。

増産できない状況にあるスズキに対して、ダイハツにとってはプラスとなります。ロイヤリティが高く、ホンダやスズキは生産幅が限られているため、その分がダイハツの繰延需要として残る可能性があります。

三菱

三菱は、ダイハツの減産分を一部取り込めるとみて、1月〜2月を上方修正しています。ホンダ、スズキと比較すると生産能力に余力があるため、軽自動車の多少の増産が可能であるという見立てです。

軽自動車とは無関係ですが、後半の生産台数については、OutlanderのPHEVを上方修正しています。これは、アメリカのリース販売でIRAの税控除対象となっている点が大きなプラス要因です。

また、9月以降もアメリカ向けのOutlanderを中心に、輸出機会が残ると見ています。

三菱の場合はキャパ上限という制約がありながらも、2024年の後半は生産がかなり上向く可能性があり、アメリカ向け輸出のチャンスが見込めます。

メーカー別自動車生産台数の予測【日産、マツダ、スバル】

この章では、日産、マツダおよびスバルの月別の生産予測推移について紹介します。

日産

能登半島の地震による半導体関連の供給制約は、日産車体の九州工場で一部減産の影響を受けており、1Qで約6万台の減産を織り込んでいます。

輸出関連ではアメリカのディーラー在庫が高い水準にあるため、日本からの輸出機会は他社と比べると少ないと見ています。

また、QX80以外に新モデルがない点も、マイナスの要因です。現時点では、2023年の12月の予測から上方修正できる機会は乏しいと考えています。

マツダ

マツダの2024年の生産台数は、およそ72万台と想定しています。主な要因としては、1Qに発生した下記の事項があります。

  • 北米向けの在庫積み上がりによるCX5の在庫調整
  • Large立ち上げの品質確認による減産
  • 量産立ち上げ遅れ

一方、短期的なチャンスとしては、LargeのPHEVCX70、90があります。三菱と同様、アメリカのリース販売ではIRAの税控除対象なので、輸出機会の増加に期待です。

ただし2025年まで新モデルの投入がないため、全体的に現状の予測を上方修正させる力は乏しいと考えています。

スバル

スバルは、アメリカの足元12月の予測から1月、4月頃までを下方修正しています。

アメリカのディーラー在庫は40日分まで回復しており、既に北米向けの輸出は調整局面にあります。

スバルは日系メーカーの中で、北米向けの在庫回復が最も遅かった企業です。そのスバルがすでにアメリカ向けの内燃機関の在庫輸出調整段階にあるという点に鑑み、日系メーカーの北米の在庫は、既に適正水準であると考えるべきです。

能登半島の地震による減産リスクは、スバルではありません。

今後の生産については、一旦アメリカ向けの適正在庫は落ち着いているものの、PHEVの輸出機会は増加する可能性があります。

特に次期フォレスターの立ち上げがあるため、現在の予測からさらに低下することはなく、どちらかといえば上振れ機会の方が大きい見立てです。

現時点でほぼフル生産が続いており、2024年は年間を通して高水準の生産台数を維持すると見ています。

まとめ:2024年1Qに突発事故が頻発、年内の生産は800万台と想定

本記事では日本国内の自動車生産をテーマに、概要とメーカー別の現状と予測、について解説しました。

2024年1Qにはトヨタグループの認証不正や能登半島地震などの想定外リスクが頻発したことにより、全体として下方修正が続いているのが現状です。

メーカーの多くが能登半島地震の影響を受けているうえ、さらに北米の在庫調整や生産能力の限界などのマイナス要因も下方修正の要因です。

一方、アメリカリース販売でのIRA税控除や新モデルの投入、生産力の余裕などプラスの要素から、今後の上方修正が見込まれるメーカーもあります。

今後の動向については、世界情勢にも注意し情報収集に努める必要があります。

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