概要
- S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは2002年にSPIVA米国スコアカードを最初に発 行しました。それ以来、このスコアカードはパッシブ運用とアクティブ運用の議論に おいて高い注目を集める調査となっています。弊社はこれまで10年以上にわたって 積み上げてきた経験を生かし、ここ数年でスコアカードの対象をオーストラリア、カ ナダ、欧州、インド、そして日本に拡充しました。このレポートでは、主にSPIVA日本 スコアカードの結果を紹介しています。このレポートにより、パッシブ運用とアクティ ブ運用に関する議論が決着するわけではありませんが、各市場セグメントの中でど ちらの運用 戦略が有効に機能したかを調査することにより、有益な情報を提供でき るものと期待しています。
- SPIVA日本スコアカードでは、アクティブに運用されている日本の投資信託につい てそれぞれのベンチマーク指数に対するパフォーマンスを1年、3年、5年の投資期 間にわたり報告します。このスコアカードでは、592以上の日本の大型株、中型株、 小型株の株式投資信託についてリターンを評価しました。また、グローバル市場、 国際市場、新興国市場、及び米国株式市場を投資対象とする778以上の国際株式 型ファンドについてもリターンを評価しました。
- 国内株式ファンド:日本の株式市場は、2015年6月末までの12ヶ月間において非常 に堅調な展開となりました。S&P/TOPIX 150指数、S&P日本中型株100指数、S&P 日本小型株250指数はそれぞれ31.9%、30.8%、33.0%のリターンとなりました。一方、 アクティブ・ファンドのパフォーマンスをみると、日本の大型株ファンドの71.6%、中型 株ファンドの55.2%、小型株ファンドの81.3%は同期間にそれぞれのベン チマークをア ンダーパフォームしました。3年及び5年の期間で見ても、日本の大型株ファンドの 60%以上はS&P/TOPIX 150指数をアンダーパフォームしています。一方、日本の小 型株ファンドは比較的良好なパフォーマンスとなっており、半分以上がS&P日本小 型株250指数をアウトパフォームしています。u
- 外国株式ファンド:外国株式市場も過去12ヶ月間において好調なパフォーマンスと なりましたが、上げ幅は日本の株式市場ほど大幅なものではありませんでした。過 去1年の外国株式アクティブ・ファンドのパフォーマンスを見ると、米国株式ファンド の87.8%、グローバル株式ファンドの81.5%、国際株式ファンド(グローバル株式ファン ド(除く日本))の63%、新興国株式ファンドの61.1%がそれぞれのベンチマークを下回 っています。過去5年の期間で見ると、ベンチマークを 下回ったファンドの割合はさら に上昇しており、米国株式ファンド、グローバル株式ファンド、国際株式ファンド(グ ローバル株式ファンド(除く日本))の90%以上がそれぞれのベンチマークをアンダー パフォームしています。一方、新興国株式ファンドは比較的好調なパフォーマンスと なりましたが、それでも過去5年の期間で65.6%がS&P エマージング総合指数をアン ダーパフォームしています。