はじめに
米国の保険会社は2021年、一般勘定のポートフォリオにおいて上場投資信託(ETF)を150億ドル増やしました。2021年末までに、米国の保険会社はETFの運用資産残高(AUM)を2020年から15%増やしました。こうした2021年の伸びは、2004年以降における18年間の長期トレンドに沿った動きであり、保険会社はこの期間に年間15%の割合でETFのAUMを増やしてきました。歴史的に見ると、保険会社は資産の大半を債券証券で保有しているものの、株式ETFにも投資しており、保険会社のETF保有の中で株式ETFは依然として大きな割合を占めています。しかし、債券ETFの組成が増えている中で、保険会社からの債券ETFへの資金流入も大幅に増えています。実際に、保険会社は2021年、債券ETFを増やす一方で、株式ETFを減らしました。米国の保険会社の一般勘定におけるETF利用に関する7回目の年間調査で、当社は保険会社によるETFの取引についても分析しました。平均すると、保険会社は2021年、年初に保有していたETFの2倍の量のETFを取引しました。全体として、2021年の取引量は2020年とほぼ同じでした。これは主に年間における売買回転率が24%低下したことによるものでした。
保有分析
概要
米国の保険会社は2021年末時点で、ETFに454億ドルを投資していました。これは、7兆2,000億ドルに上る米国のETFのAUMのごく一部にとどまっており、米国の保険会社における7兆8,000億ドルに上る投資資産に占める割合もわずかとなっています。図表1は、過去18年間にわたる米国の保険会社によるETFの伸びを示しています。