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ファクター・ポートフォリオにおける カーボンリスクの統合

保険会社の一般勘定におけるETF活用 – 2017年

ファクター・ポートフォリオにおける カーボンリスクの統合

はじめに

過去のカーボンリスクに関する議論には通常、気候変動に関する科学的根拠 や、既存の証拠がカーボンを意識した投資に関する市場参加者の行動を支えて いたかどうかが含まれていました。ここ数年では、気候変動に関する方針や知識 は、世界中の多くの大手機関投資家が程度の違いはあるもののカーボンリスク の統合をすでに投資プロセスに組み入れ始めている段階にまで進展していま す。

低カーボン投資のトレンドとともに、機関投資家はファクターに基づく資産配分ア プローチを採用しています。ファクターに基づく投資をコア株式の配分に組み入 れ、投資プロセス全体を低カーボン・イニシアチブと一致させることを望んでいる 機関投資家は、ポートフォリオ全体の運用アプローチを必要とする場合がありま す。このアプローチではカーボンリスクに関連する測定基準を伝統的リスク・ファ クターからのシグナルと統合します。したがって、市場には、伝統的ファクター・ポ ートフォリオとカーボンリスクを統合することによる影響を分析する研究に対する 必要性が明らかに存在しています。

したがって、現時点での議論では、カーボンリスクがどの程度まで織り込まれて いるか、ひいては市場参加者が既存のポートフォリオにおいてどの程度までポジ ションを取るべきかに重点が置かれています。カーボンを意識した投資の出発点 として、特定のポートフォリオのカーボン・フットプリントを知ることが必要です。し かし、カーボン・フットプリントはカーボン・プライシング・リスクのほんの一部分を 測定しているに過ぎず、カーボンリスク・エクスポージャーの完全な予測を提供す る上で将来を考慮しているとは言えません1 。

データの入手可能性及び履歴や、カーボン関連の測定基準を組み入れることに よるポートフォリオの影響を実証しようとしている本レポートの焦点など様々な理 由から、本レポートではカーボンの効率性の視点からカーボンリスクを分析して おり、より簡素化したアプローチを採用しています。

本レポートでは、純粋で制約のないカーボン・エフィシェント・ポートフォリオが、カ ーボン効率の低いポートフォリオや対象ベンチマークを絶対リターン・ベースでア ウトパフォームするものの、ポートフォリオのボラティリティが高いためリスク調整 後ベースではアンダーパフォームすることに言及しています。さらに、カーボン・エ フィシェント・ポートフォリオがどのように意図しないセクター・バイヤスやファクタ ー・バイアスを示すかについても検証しています。当社ではカーボン強度とスタイ ル・ファクターの相関を用いて、目標ファクター・エクスポージャーを維持しつつ、 カーボン強度を下げるために、カーボン・エフィシェント・ポートフォリオ(制約のな い、セクター相対の)を伝統的なリスクファクターと組み合わせることのできる定 型化された枠組みを示します。

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保険会社の一般勘定におけるETF活用 – 2017年

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Raghu Ramachandran

Head of Insurance Asset Channel

S&P Dow Jones Indices

はじめに

保険会社は 2004 年以降、上場投資信託(ETF)に投資しています。保険会社は 2016 年、絶対額及び一般勘定に占める割合の両方で、ETF への投資を引き続 き増やしました。本レポートでは、保険会社の一般勘定における ETF の利用状 況について分析します。

全米保険監督官協会(NAIC)は、米国の全ての保険会社に対して年次の財務諸 表を州の規制当局に提出するように求めています。この提出書類には、保険会 社が保有する全ての証券の明細が含まれています。S&P グローバル・マーケット・インテリジェンス(SPGMI)では、NAIC からのこのデータを編集し、利用可能な フォーマットで使用できるようにしています。当社ではこのデータベースを使用し、全ての保険会社の ETF の保有状況(現在及び過去の両方)を確認しました。さら に、ETF のデータ及び分析会社であるファースト・ブリッジは、米国の ETF のリス トや、各 ETF の特性(資産クラス、株式戦略、債券の格付けなど)を提供していま す。当社ではファースト・ブリッジの分類情報を法定提出データと結合し、保険会 社が ETF をどのように活用しているかに関する洞察を得ます。

概要

保険会社は ETF の利用を引き続き増やしています。2016 年末時点で、保険会 社は一般勘定において 190 億ドルを ETF に投資していました。

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